グッバイ・メロディー



エミリちゃんは真っ白な手をしなやかに伸ばし、ひとりずつと握手をすると、「ありがとうございます」と可憐に微笑んだ。

まさに花のような微笑み。

きっと本当にイイトコの育ちなんだろうな、と思わずにはいられない。


「“季沙さん”にも会えてうれしい!」


目の前に咲いたお花さんにぽけっと見とれていると、今度はわたしにむかって白い手が差しだされていた。

なぜ、わたしの名前まで知っているの?


「季沙さん、有名です。洸介さんの彼女だってみんな噂してます」


おかしな声が出た。

眠たいはずのこうちゃんも、これにはぎょっと目をまるくした。


幼なじみどうし、思わず顔を合わせる。

それを見たエミリちゃんがますます目を細めて笑う。


「噂はホントだったんですね! 生でツーショットが見られるなんて」

「う、噂はホントじゃないです! こうちゃんとは恋人どうしじゃなくて幼なじみでっ」


へたくそな弁解でも伝わってくれたようで、エミリちゃんはこてんと首をかしげると、「そうなんですか?」と少し残念そうな顔をした。