グッバイ・メロディー



どーよ、とアキくんがちょっと控えめに聞いた。

こうちゃんはみんなの答えを待つようにココアを飲み続け、トシくんが少しうかがうような顔をして全員をぐるりと見渡す。


「おれは、なんでもいい。どうなってもついてくだけだから」


驚くことに、いままでほとんどしゃべらなかったヒロくんが、いちばん最初に答えたのだった。


やっぱり、ぷいとした顔。

だけどその発言にこめられた想いが伝わってきて、3人のお兄ちゃんたちのどこか緊張した顔が、ほんのちょっとだけ緩んだように見えた。


まだ14歳。
中学2年生の男の子はいつもツンツンしているけど、彼もまた彼なりにこの場所を大切に思ってくれていたんだなって、はじめて実感できたかもしれないよ。


だって、ヒロくんってなににも興味がないと思っていた。

お兄ちゃんの友達に誘われたからバンドを始めてみたものの、こういう展開になってしまったこと、真っ先に面倒だと思うタイプなんだろうなって。


「俺はまだ決められない。良し悪しの基準もわかんないし、正直どういう世界なのかもまだ見えてこないし……」


次はトシくんが困ったように言った。

すかさずアキくんが「オレも」と同調する。

そこでやっと、こうちゃんがマグカップを置いたのだった。