グッバイ・メロディー



最後にまわってきたメールを読み終えたらしい4人がほぼ同時にテーブルの上に紙を投げだし、ふうっと大きく息をつく。

普段はぜんぜん違うみんなが同じ動きをしたから、ちょっとおかしい。


「メジャーとインディーズが2社ずつ」


なんともいえない静寂に言葉を落とすようにこうちゃんが言い、記載されている社名をもういちど確認した。


会社の名前を見ただけで、メジャーレーベルかインディーズレーベルか、わかっちゃうんだ。

それはオタクといってもいいくらい音楽業界に詳しいせいかもしれないけど、こうちゃんはいつか本気でデビューするつもりで考えていて、ひそかになにかを決めていたんじゃないかって、どうにも勘ぐってしまうよ。


ところでメジャーとインディーズの違いってなんだ?

疑問をぶつけようとしたら、アキくんが先に質問してくれた。


「説明すると長くなるからめんどい」


さっきは脇坂さんにあんなに長文でしゃべっていたくせに、やっぱり口を動かすのはそんなに好きじゃないんだな。

こうちゃんはケースのついていない黒いスマホを若者らしくない不慣れな感じでタップし、やっとなにか開くと、黙ってテーブルの真ん中に置いた。