「普段からこんなふうに季沙にべったりなの?」
「そう、いっつもこう。昔からずーっとこう! マジで超絶ベッタリ」
そんなことないよ、と言いかけたところに、アキくんが乱入してきた。
しかもメチャクチャ盛り盛りなことを平気で言う。
うしろのこうちゃんが「ウザ」と小さくこぼしたのが聞こえた。
「だからきょうは季沙じゃなく、みちるさんはオレの隣で」
アキくんがこういうことを言うのはちょっと本気のときだ!
それでもみちるちゃんはいっさいの動揺もなく、余裕な感じに笑っている。
同年代の女の子だったらいまごろコロッとアキくんを好きになっているはずなのに、さすが、大人はチガウな。
「ねえ、こうちゃん。アキくん、本気かな?」
「知らない。季沙に手出さないならもうなんでもいい」
先頭のトシくんヒロくんペアに続き、並んで歩くアキくんとみちるちゃんはあまりに美男美女で、ものすごく絵になっているから、ちょっとアリかもと勝手なことを思ってしまった。
そういえばみちるちゃんと恋の話はしたことがないな。
このきれいなお姉さんは、どんな男の子を好きになるのかな。
いままでどういう恋をしてきたんだろう。



