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23時集合の5分前には到着するように向かったのに、わたしたち以外の全員に出迎えられたので、ぎょっとした。
「季沙っ」
元気な声で呼ばれるのと同時に、細い両腕にぎゅっと抱きしめられる。
「ベージュのボア似合ってる! かわいい! あったかーい!」
タイトなシルエットの黒いダウンジャケットをさらりと着こなしているのが今夜も本当にかっこよくて、女の子どうしなのにどきどきしてしまう。
かすかにただよってくるこの煙草の香りが、まさにみちるちゃんという感じだ。
「急なお誘いだったのに来てくれてありがとう」
「こちらこそ! 誘ってくれてありがとね」
いつものごとく両頬をむぎゅっと挟まれた。
冬休みに入ってからほっぺのお肉がさらに増えてきて本当に嫌だよ。
みちるちゃんはいつ見ても完璧に細いけど、どうやって体形維持しているんだろう。
「洸介くん、すでに眠そうだね」
「こうちゃんね、ぜったい眠くなるからってさっきまで寝てたんだよ。たたき起こしたからちょっとフキゲンでずっと無言なの」
みちるちゃんが豪快に笑った。
「ほんとにライブ中とぜんぜん違うねえ!」
まだご機嫌ナナメなのか、返答に困ったのか、こうちゃんが隠れるみたいにしてわたしのうしろにサッと移動した。
それを見たみちるちゃんがまた笑う。
ニヤッと口角が上がっている。
23時集合の5分前には到着するように向かったのに、わたしたち以外の全員に出迎えられたので、ぎょっとした。
「季沙っ」
元気な声で呼ばれるのと同時に、細い両腕にぎゅっと抱きしめられる。
「ベージュのボア似合ってる! かわいい! あったかーい!」
タイトなシルエットの黒いダウンジャケットをさらりと着こなしているのが今夜も本当にかっこよくて、女の子どうしなのにどきどきしてしまう。
かすかにただよってくるこの煙草の香りが、まさにみちるちゃんという感じだ。
「急なお誘いだったのに来てくれてありがとう」
「こちらこそ! 誘ってくれてありがとね」
いつものごとく両頬をむぎゅっと挟まれた。
冬休みに入ってからほっぺのお肉がさらに増えてきて本当に嫌だよ。
みちるちゃんはいつ見ても完璧に細いけど、どうやって体形維持しているんだろう。
「洸介くん、すでに眠そうだね」
「こうちゃんね、ぜったい眠くなるからってさっきまで寝てたんだよ。たたき起こしたからちょっとフキゲンでずっと無言なの」
みちるちゃんが豪快に笑った。
「ほんとにライブ中とぜんぜん違うねえ!」
まだご機嫌ナナメなのか、返答に困ったのか、こうちゃんが隠れるみたいにしてわたしのうしろにサッと移動した。
それを見たみちるちゃんがまた笑う。
ニヤッと口角が上がっている。



