「わがままでいい。やなことはやだって言ってほしいし、むかつくときはちゃんと怒って。そのかわり、わがままで困らせたり、すねて意地張ったり、季沙のそういうとこも全部、俺だけのものにさせて」
穏やかに少しずつ積もる愛情で、とぷとぷ、体中が満たされていくみたい。
「う……そんなこと言ったら、わたしはまたチョーシ乗って、たぶんもっと困らせちゃう、よ」
「ん、いいよ」
「わたしのことイヤにならない?」
「ならない」
「ほんとう……? ぜったい?」
超絶めんどくさいオンナみたいなせりふを吐いているのはわかっている。
こういうところがいけないんだろうなとも思う。
だけど次の瞬間、ふわりと腕がゆるんだかと思えば、こうちゃんはわたしの顔を覗きこみ、とびきりやさしく、甘い、まっすぐな、嘘のないまなざしをくれたのだった。
「うん、絶対。なにがあっても」
こつんとおでこがくっついた。
こうちゃんがしてくれるこれが、すごく好き。
触れているのにもどかしくて、もっと近づきたくて、応えるみたいにわたしからも額をすり寄せると、大きな手のひらに両方の頬を包みこまれた。
「俺を信じて、季沙」
わたしはもうとっくに、こうちゃんのすべてを信じている。
だからずっと、最後の瞬間まで、永遠に、このやさしい瞳に映していてほしいよ。
ほかの誰のことも見てほしくないよ。
わたしは2番目でもいいから。
エレ吉くんとギー子さんとギタ美ちゃんとアコちゃんの次でいい。
あ、そしたら、5番目か。
けっこう低め。



