伝えなきゃいけないこと、言いたいことが、たくさんある。
あるはずなのに、うまいこと言葉に直ってくれなくて、ただ泣きじゃくるしかできないわたしを、こうちゃんは突き放したりせず、そっと抱きしめた。
「ごめん」
そして、最近言いずっぱりなその3文字を、今夜もあきらめないで口にした。
「さみしい思いさせてばっかでごめん。大事なこと忘れててごめん」
もう謝らなくていいよ。
そんなせりふばかり言わせて、わたしこそ、ごめんね。
「会いたかった。きょうずっと、季沙のことしか考えてなかった。もうこんなふうにできないかと思った」
ぎゅうっと強く抱きすくめられる。
同時に、胸を締めつけられるような、切ない声が耳元で響く。
涙がもっと出た。
きらいの涙じゃない。
これは、だいすきの涙だ。
「こうちゃん、ごめんね。いっぱい……いっぱい、ごめんね」
本当にそう思っているとき、言い訳なんていう陳腐なものは、ひとつも思い浮かばないんだ。
あの日、たくさん苦しいゴメンを重ねてくれたこうちゃんも、こんな気持ちだったのかな。
それを、わたしは受け取りもしないで嫌だと突っぱねた。
本当に、最低だった。
「きょうここに来なかったこと、すごく後悔した。わたしもこうちゃんのことばっかり考えてた。大好きなのに、いつもわがままばっかりで、こうちゃんのこと困らせて、そんなののくり返しで、ごめんね。わたし……」
「いい」
言葉を遮るように、こうちゃんは言った。



