グッバイ・メロディー



いきなり、背中にやわらかいなにかが触れた。

それがベッドだと気付いたときにはもう、視界には、こうちゃんしか映っていなかった。


「……え、こうちゃ……」

「ん」

「え、ちょ、ま、ま、待って……!!」


わたしだってもう、なにも知らない子どもじゃない。

友達の半分くらい(もしかしたら半分以上かも)は、こういうことを経験済みだ。


これからどうなるのかわからない、
なんて純情ぶってしらばっくれるつもりはないよ。


絶対に嫌じゃない。
本当に嫌じゃない。

だって、こうちゃんだもん。


でも問題は山積みなの。


突然すぎて心の準備もまだちゃんとできてないし、

きょうどんな下着を身に着けているのかも、さっぱり覚えていないし。


「ごめん、待てない」


それでも隙間なく与えられるキスのせいでなにも言えなくて、わたしはもう、こうちゃんにしがみつくしかないのである。


こうちゃんとは何度もいっしょに寝ている。

つきあう前もそうだったけど、つきあってからは、ほぼ毎晩のようにいっしょに寝ている。


でもこうちゃんが、緊張も決意もしなくていい、と言ってくれたから。

それに、本当に、なにもしてこないから。


わたし、いつからか、どこかで油断してしまっていたよ。


もちろん心配もしないわけではなかった。

あまりにもなにもしてこないものだから、わたしってもしかして本当に女としての魅力がないんじゃないのって思ったり、こうちゃんはなにかの病気なんじゃないのって思ったり。