グッバイ・メロディー



「季沙」


どきりとした。

見上げたこうちゃんは、いつものなんでもなさそうな顔じゃなく、とても余裕のない表情をしていた。


ふわり、いきなり重力が消え去る。

こうちゃんの両腕はわたしを持ち上げることなんて楽勝みたいだ。


おかしいな。
たった4年前まではわたしのほうが背も高かったのに。


こうちゃんはベッドにわたしを座らせると、そのままもういちど、さっきよりも長いキスの雨を降らせた。


「ん……」


こうちゃんとわたしはずっと仲良しの幼なじみだったけど、恋人になってからはもっと仲良しになったと思う。


外出するときは必ず手をつなぐし。

ふたりのときは基本的にくっついているし。

そういうときは、ぎゅってしたり、ちゅってしたりもするし。


「こ、こうちゃ……」

「ん、ちょっと我慢してて」


でも、こんなの、知らない。


くちびるを割って侵入してくるこうちゃんのダイレクトな熱に、肩や腰がいちいちぴくんと跳ねてしまう。

いつのまにやら指が絡まっている。

吐き出す息をすべて飲みこまれてしまうみたいで、背中がぞくぞくした。


大人のちゅうをするのははじめてじゃないのに、なんだか熱くてたまらないよ。

やけどしちゃいそう。