グッバイ・メロディー



「でも、ちゃんと一人前になってから行こうって思う。ちゃんと資格を取って、学校を卒業して、それで……。だってね、いまのままだとわたし、どうしてもこうちゃんに甘えちゃうと思うから」


たしかにやりたいこと、夢は、見つかった。

でも、それだけじゃ、ダメだと思ったの。


こうちゃんはずっとなにもしゃべらないで、わたしの言葉に耳を傾けてくれていた。


誰より優しい人。

いままでがそうだったように、傍にいたら、きっとわたしはこの優しさに甘えきってしまう。


「いま、ぜんぜん会えなくてさみしいし、もっと会えなくなるのかと思うともっとさみしくて、想像するだけで死んじゃいそうだけど……でも、わたしもこうちゃんみたいにがんばりたいなって」

「うん」

「こんなのわたしの自己満足だと思う。でも、でも……」


恥ずかしいほど能天気に生きてきた18年間。

なにも考えず、ただこうちゃんの隣を歩いてきただけの、これまでの人生。


それじゃいけないのだということに、ようやく気付いた。

同時に、やっと自分の未来を見ることができた。


遅すぎたかもしれない。

だけど、まだ間に合うんじゃないかと思う。


こうちゃんに連れていってもらうだけじゃない。


ちゃんと自分の足で歩いて、自分で未来を切りひらいていきたい。

わたしだけの将来を掴んでみたい。


そして、そのとき隣にこうちゃんがいてくれたらいいなって。


そんなふうに、思うんだ。