こうちゃんが、わたしのせいでバンドをやめると言わなくてよかった。
こうちゃんにとってそれほど大切で、捨てられない居場所が、この世界にあって本当によかった。
そして、それと同じくらい、わたしのことも、大切にしてくれてありがとう。
こうちゃんの大切な“あまいたまごやき”を、わたしもとても、とても、大切に思うよ。
「こうちゃんで、よかったな」
「ん、なに?」
「わたしの幼なじみが……恋人が、こうちゃんで本当によかったなって」
日を追うごとに。
ひょっとしたら、毎秒を重ねるごとに。
どんどん、好きになっていく。
もう17年、もう少しで18年。
こんなにも長くいっしょにいるはずなのに、まだまだ、好きになっていく。
「こうちゃん、大好きだよ」
だけどそんなのはやっぱり当然のことのようにも感じるの。
こうちゃんを好きになること、たぶん、生まれる前から決まっていた運命だと思うんだ。



