グッバイ・メロディー



こうちゃんのためになりたい。

そういう存在でありたい。

いつまでもなんの力もない自分でいたくない。

手を引いてもらうんじゃない。

隣どうしならんで、手をつないで、いっしょに、こうちゃんと同じ速度で、歩いていきたい。


わたし、

こうちゃんみたいに、なりたい。


「あのね、お父さんとお母さんが、夢も目標もないわたしが東京についていくのはよくないって」

「うん」

「ちょっとね、納得しちゃったの。たしかにわたしは東京に行ってなにするんだろうって思った」

「ん」

「そしたら急にこうちゃんのことがまぶしく見えちゃって……ひとりで不安になって。また“自己完結”しちゃうところだったよ。ごめんね」


いつだってやさしい手のひらが、安心を分けてくれるみたいに背中をぽんぽんとする。

こうちゃんの鼓動と同じリズムでくり返されるそれは、なんとも穏やかで、とてもほっとした。

ああ、わたしはこんなにも愛されて、大切にされているんだって、心の底から思えた。