――こうちゃんといっしょに東京へ行く。
そのこと自体に不安を感じているわけじゃないの。
怖いことだってない。
こうちゃんといっしょなら、わたしはきっとどこへ行ってなにをしても、なにがあろうとも、平気だと思うから。
だけど、わたしがこうちゃんの負担になっているんじゃないかと思うと、なにもわからないふりをして無邪気についていくことなんてできなくて。
それを、こうちゃんに確認することもできなくて。
だって優しいこうちゃんは、絶対にわたしのことをそんなふうに言ったりしない。
わかるんだ。
わたしは、こうちゃんのことなら、なんでも知っているから。
「ね、今度ゆっくり話そっか? 男どもは抜きでさ。衣美梨も誘おうよ」
みちるちゃんはそう言うと、ちらりとこうちゃんとアキくんを見上げた。
それに気づいたアキくんが「なんだよ」と訊ねる。
べつにぃ、とみちるちゃんがからかうと、年下の顔をしたアキくんが口をとがらせた。
ああ、やっぱりふたりは素敵だな。
本当に、完璧にお似合いだよ。
つきあったらきっといいバランスが保てるという予想が見事に的中した。
アキくんとみちるちゃんは、遠距離恋愛でも、きっと大丈夫だと思う。
ふと、いつのまにか離れていた手をこうちゃんがつなぎ直した。
「季沙、行こう。花火始まる」
「うんっ。みちるちゃん、アキくん、またね!」
手を引かれつつ、ふり向いて、反対の手を振った。
同じように手を振ってくれるふたりはなんだかよく似ていて、なんだか変にうらやましく思ってしまった。



