屋台が立ち並んでいる風景、なんだか異世界に迷いこんでしまったみたいで、わくわくするから、昔から大好き。
りんごあめに、ベビーカステラ、チョコバナナ。
ほとんど甘いものしか買わないのは、こうちゃんとシェアできるから。
西に地平線に陽が落ちきるころには、まっすぐ歩けないほどたくさんの人でごった返していたけど、しっかり手をつないでくれているからはぐれることはなかった。
「――あれ、季沙?」
そうして花火を待ちながらふたりで歩いているとき。
聞き覚えのある声に、すれ違いざまに呼び止められた。
「あ、やっぱり季沙と洸介くんだ!」
白地に大きな赤い花が咲き乱れている、とても色っぽい浴衣。
赤色が世界一似合う美人のお姉さんは、和服もこんなに素敵に着こなしてしまうんだな。
「わー、みちるちゃんっ!」
「浴衣かわいいねえ」
「みちるちゃんこそ色っぽいよー! かっこいいー! かわいいー! きれいー! 会えてうれしいー!」
「ちょっと、最後のひとつだけでいいよ。恥ずかしいな」
そして、その隣に当たり前にアキくんがいることを、この上なくうれしく思った。
自身もばっちり浴衣を着た中学時代の同級生は、こんなにきれいな女性を隣に連れていても見劣りしないくらいかっこいい。
さすがだ。
そろそろ見慣れてきたかもしれない顔が、やはり異次元のイケメンであることを再認識してしまった。



