グッバイ・メロディー



「ごめんね。中2のとき、わたし、瀬名くんのことが好きだったんだ」


思い返すような遠い目をしながら、はなちゃんは順番に教えてくれた。


「1年のとき季沙と友達になってさ、毎日のように教室まで送り届けてもらって、迎えに来てもらって、このコすごい幼なじみ持ってんなーって感心したんだよね。それと同時に、あの幼なじみは季沙のこと大好きなんだな、ってすぐにわかって。こんなに大切にしてもらって、想ってもらって、純粋にうらやましいなって思ったのが始まり」


中学に上がったとたん、よく知りもしない男子に突然呼び出され、告白されることが増えたはなちゃんは、そういうのに心の底からうんざりしていたんだって。

たいしてわたしのことなんか好きでもないくせに、とふてくされたように言った。


「それに比べて、上っ面じゃないんだよね、瀬名くんは。中2のときに同じクラスになったらそれがもっと見えてきちゃって。ほんと、ずっとブレないで季沙だけ好きなところすら、めちゃめちゃかっこいいなって思うようになっちゃってさあ」


だけど瀬名くんはどうにも季沙を好きだったから、

と、からかうみたいなトーンでくっつけた。


「報われなさすぎる片想いをしてたわたしを見かねて、彰人が『つきあおう』って言ってくれたんだ。それが学祭のときしゃべった話」


一瞬で全部がつながって、ああそうだったのかと納得して。

そしたらついでに、どうにも切なくなった。