指先が自然と触れあう。
すぐにぎゅっとした握力を感じる。
はじめて感じる、こうちゃん以外の男の子の手のぬくもり。
こんなにも違うんだって思った。
こんなにも、違和感があるんだって思った。
「――季沙」
反対の手を引っぱられたのは、それからほんの数秒後のことだった。
「え……」
「悪いけどほんとに触んないで」
「こ、こうちゃ……」
「季沙も簡単に触らせないで」
なんだかもはやなつかしさすら感じる声だなあ、
と余韻にひたる余裕もなく。
わけもわからずされるがままでいたら、ふっと、先につながったほうの手が外れたのだった。
「あーあ、ここでガードマン登場か」
木原くんは残念そうに、だけどちょっと笑いながら、肩をすくめて言った。
「言っとくけど隙見せたのはそっちだかんな? おれはそれに付け入っただけで」
おどけたようなせりふを聞くやいなや、こうちゃんが本当に怖い顔をした。
「噂には聞いてたけど超こえー」
「あの、木原くん」
「ごめん、おれ平和主義だからコブ付きの女子には手出さないって決めてんの。毎日遅くまでメッセできて楽しかったよ。けっこうディープな話もできたしさ」
なんだと!
わたしたちがいったいディープななにを話したというの!
まるで挑発しているみたい。
こうちゃんがけっこう本気で怒った顔をしている。
そういえばこうちゃんって、幼なじみに対して、超が付くほど過保護な人だった。



