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金曜の放課後、約束通り(ほぼ一方的な宣言だったけど)木原くんは2組の下駄箱の前で待ってくれていた。
『ごめん、やっぱりいっしょには帰れないです』
と、朝のうちにメッセージを送っておいたはずなんだけどな。
いきなりのことに納得していなさそうな返事がきていたし、こうなるであろうことはちょっと予感していた。
「ドタキャンはひどくねー?」
「うん、ほんとにごめんね。でも」
「きょうを楽しみに部活がんばったのに」
ぶつぶつ口をとがらせる彼はハンドボール部に所属しているらしい。
顧問の吉井先生は学校生活でもじゅうぶん厳しいから、部活となると本当に大変なんだろう。
「なんか、用事?」
「あ、うん、まあそんな感じでして……」
「ぜってー嘘じゃん! 誤魔化すのめちゃめちゃへたくそかよ!」
おもしろそうにからから笑っている。
よかった、怒ってはいないみたいだ。
どういう人なのかあまり詳しくはわからないけど、木原くんってきっと悪い人じゃないのかな。
だからこそドタキャンしてしまって、ちょっと罪悪感みたいなのもあるのだけど。
それでも、もうブレないって決めたんだ。
「一日だけさ、いいじゃん。まだお互いなんも知らないっしょ? 視界に入るくらいはいいじゃん。アリかナシかはそのあとに決めてもらうってことで。それはおれもおんなじだしさ」
「でも、わたしやっぱり」
「うん、やっぱり、なに?」
こうちゃんのことが、
言いかけたそのとき、ぱっと手を取られた。
金曜の放課後、約束通り(ほぼ一方的な宣言だったけど)木原くんは2組の下駄箱の前で待ってくれていた。
『ごめん、やっぱりいっしょには帰れないです』
と、朝のうちにメッセージを送っておいたはずなんだけどな。
いきなりのことに納得していなさそうな返事がきていたし、こうなるであろうことはちょっと予感していた。
「ドタキャンはひどくねー?」
「うん、ほんとにごめんね。でも」
「きょうを楽しみに部活がんばったのに」
ぶつぶつ口をとがらせる彼はハンドボール部に所属しているらしい。
顧問の吉井先生は学校生活でもじゅうぶん厳しいから、部活となると本当に大変なんだろう。
「なんか、用事?」
「あ、うん、まあそんな感じでして……」
「ぜってー嘘じゃん! 誤魔化すのめちゃめちゃへたくそかよ!」
おもしろそうにからから笑っている。
よかった、怒ってはいないみたいだ。
どういう人なのかあまり詳しくはわからないけど、木原くんってきっと悪い人じゃないのかな。
だからこそドタキャンしてしまって、ちょっと罪悪感みたいなのもあるのだけど。
それでも、もうブレないって決めたんだ。
「一日だけさ、いいじゃん。まだお互いなんも知らないっしょ? 視界に入るくらいはいいじゃん。アリかナシかはそのあとに決めてもらうってことで。それはおれもおんなじだしさ」
「でも、わたしやっぱり」
「うん、やっぱり、なに?」
こうちゃんのことが、
言いかけたそのとき、ぱっと手を取られた。



