「季沙も器用なほうじゃないんだし、瀬名くんも『なんでもない』で通して納得してくれるような人でもないでしょ。どっちにしろもう好きって言うしかないと思うけどな」
そのうえ説得力も兼ね備えているのだから、こっちは言うことがなくなってしまうよ。
「あのさ、てきとうに誤魔化して瀬名くんが納得しないのは、相手が季沙だからだと思うよ」
でも、
と言い訳しかけたわたしを、中学のころからわたしたちを見てきた友人の言葉が制止した。
「すごく大切にされてるじゃん。様子がおかしいと心配だし、全部知りたいんだよ。相手が季沙だから、瀬名くんは怒るんだよ」
「……そう、なのかな」
「季沙だって逆の立場だったら瀬名くんと同じこと言ってたんじゃない?」
まったくもってその通りで、言い返すせりふがいっこも思い浮かばない。
そう、もし立場が逆だったら、わたしはきっともっと怒っていたはずだ。
言い逃れるみたいにクリスマスプレゼントだと紙袋を渡されても、たぶん受け取ろうともしなかっただろうな。
わかる。
わかっている。
だけど、心が追いつかない。
すごく、こわいの。
こうちゃんに、季沙のことはそういうふうに見てないから困るって、面と向かって言われたら。
こうちゃんのなかにある大切な人のうち、もう“幼なじみ”の枠にすら入れてもらえなくなったら。
そう思うと、どうにもこわい。
これまでの関係を打破して取り返しがつかなくなってしまうより、元通りのままでいる努力をするほうがずっと簡単で、ずっと幸福に思えて仕方ないんだよ。
「……がんばる、から」



