「季沙、あけおめ!」
元気よくそう言ってくれたあとで、はなちゃんはわたしがお葬式みたいな顔をしていることに気づき、すぐに「どうしたの」と慌てた表情をした。
「う……」
そしたらもう我慢なんてできず。
どばっと、どうしようもできない涙が両目から滝のようにあふれ出してきた。
「えー! ちょっと、どうしよう、季沙、おーいどうした」
「はなちゃあん……」
思わずむぎゅっと抱きつく。
ザ・女の子という感じのフローラルな香りがする。
制服が濡れてしまうこともいとわず、はなちゃんはわたしを左肩に受け入れてくれると、よしよしと頭を撫でてくれた。
「なになに、季沙がこんなふうに泣くのめずらしいね」
ぜんぜん、めずらしくないよ。
わたしって本当は自分でも嫌になるくらいの泣き虫なんだ。
いままではそれを全部こうちゃんにぶつけていただけ。
わたしが泣いていたら誰よりも先にこうちゃんが気づいて、涙を拭いてくれていただけ。
そんなことをついうっかり思い出したらまたどばどば涙が出てきた。
だって、もう二度と戻れない。
優しくて、甘くて、幸せな、なにも知らない無邪気だったころ。



