「やっぱり……怒ってる、よね。怒るに決まってるよね」
ずるい言い方をしてしまった。
これじゃ、そんなことないよ、と言ってほしいみたいだ。
「あれは結局、なんだった?」
なにか少し考えるようなそぶりを見せたあとで、こうちゃんは怪訝そうに質問をぶつけてきた。
クリスマスイブにわたしが見せた態度のことを言われているのだと瞬時に理解する。
「あのときは……ちょっと、調子が悪くて」
「なんの?」
「こ、こころの……?」
「じゃあ2週間も連絡してこなかったのはなんで。なにがあったのかって俺は何回も聞いたけど」
こうちゃんは決して機嫌がよさそうではなかった。
怒っているのか、あきれているのか。
いらついているのか、面倒なのか。
淡々とはしていても、いつも優しいこうちゃんにこういう話し方をされるのは生まれてはじめてで、怖気づいてしまう。
「ちがうの、もうね、いいの。自己解決したから……」
「季沙のそれ、“自己解決”じゃなくて“自己完結”なんじゃない」
ああ、そうだよね、怒るよね。
意味わかんないもんね。
当たり前だよ。
吐き捨てるみたいに言われてやっと実感するなんて、わたしは本物のバカだな。



