グッバイ・メロディー



気を抜くとすぐに落ちこんでいく心をまぎらわせるのに、漫画はとても最適なツールだった。


ただ、とりあえず冬休みのあいだに読破した5タイトルとも、恋愛における勉強にはなったけど、正直ぜんぜん参考にはならなくて。


だってヒーローはみんな、最初からヒロインを女の子として意識しているの。

それが第1巻の1ぺージ目の1コマ目からすぐにわかるの。


好きだから、わざといじわるしてしまう男の子。

好きだけど、叶わないから、ほかの女の子とつきあってしまう男の子。


だいたいどちらかのパターン。

そして、ヒロインがヒーローを意識し始めると、いきなり彼のほうからぐいぐい迫り始めて。


「か……完全に真逆……」


生まれてからいっしょにいる17年ものあいだ、こうちゃんにいじわるをされたことは一度もない。

ましてや当てつけみたいにほかの女の子とつきあわれたこともない(それは単にあまり女の子に興味がないだけだと思うけど)。


むしろこうちゃんってずっと優しくて、面倒なわたしを見捨てることなく、これでもかというほど甘やかしてくれて。

挙句の果てにはこうちゃんを“男の子”として意識し始めたわたしに、ぐいぐい迫ってくるどころか、こんなやつにはもうつきあっていられないと匙を投げられたのですが……。


脈ナシにも程がある。


そう実感したら悲しみが止まらなかった。


だけど、どうしようもない。

こうちゃんを責めるわけにもいかない。

だって、こうちゃんが悪いわけじゃない。


悪いのは、幼なじみを勝手に好きになってしまったわたしのほうだよ。

わたしはこうちゃんに対して、きっと幼なじみ以上に欲張っちゃいけないんだな。