グッバイ・メロディー



中身はわたしが秋ごろからずっと欲しいと言っていたクリスマスコフレで間違いなかった。

ミニサイズのグリッターと、リキッドルージュ、それからグロスのセット。

あしらわれている星のモチーフは写真で見るよりうんとキラキラしていて、何百倍もかわいい!


「か、かわいい……!」


思わず声を上げてしまうと、キッチンに戻りかけていたお母さんがちょろちょろ寄ってきて、箱のなかを上から覗きこんでくる。


「ウワッ、なにそれ? もしかして高いんじゃないの?」

「たぶん5000円くらいする……はず」

「ちょっとあんた、高校生になんてもの買わせてるの!」


価格ももちろんそうなのだけど、これはたしか、予約が解禁するなりすぐに売り切れたセットのはずだった。

だからぜったい欲しいと思っていたけど泣く泣くあきらめたんだ。


もしかして探しまわってくれたのだろうか。

それとも内緒で予約しといてくれたのかな。


毎年わたしの誕生日には、なにをあげたらいいのかわからなくてダイレクトに聞いてくるくせに。

クリスマスにプレゼント交換なんて、いままでしたことなかったはずなのに。


急に、なんなの。
いきなりなんでなの。

最近わたしがよくむくれるから、もしかして機嫌でも取るつもりだったの。


心がくさくさしているせいで、ついひねくれたことを考えてしまう。