雪の結晶のような模様がうっすら浮き上がっている白い包装紙に、かけられているのは深い赤色のベロア素材のリボン。
両手に収まるくらいの大きさのそれは、持ってみるとけっこう軽い。
「洸介から、季沙にって。ほんとはきのうのうちに渡すつもりだったけどタイミングなかったって言ってたよ。あんたたち、高校生にもなっていったいなに喧嘩したの?」
喧嘩じゃない。
わたしが勝手に自爆しただけ。
そしてこうちゃんがそれに、いよいよつきあっていられなくなっただけ。
「ほんと優しいよね、洸介は昔っから。顔も合わせられないくらいなのに、ふつうわざわざプレゼント持ってこないよ? どうせ今回のも季沙からふっかけたんでしょ。しょうもないワガママばっかり言うのいいかげんやめなさいよ」
「ち……ちがうし」
「なにが違うの? いつもこんなに甘やかしてもらっといて」
口喧嘩になるといつもお母さんには勝てないので、基本的によけいな口答えはしないようにしている。
それに今回は圧倒的にわたしが悪いわけで、言い訳の文言が思い浮かばなかったのだ。
黙って赤いリボンの端っこをそっと引っぱってみた。
するりと簡単にほどけた優しい結び目を丁寧に開き、包装紙を広げていくと、見えたのはよく知っているブランドのロゴ。
“M・O・C”だ!



