こうちゃんにとって、手をつなぐことに、どういう意味があるのかな。
部屋でふたりきりのとき、ギターのかわりみたいにわたしを抱っこしたり。
いっしょに寝たいって甘えてきたり。
ねえ、こうちゃんはわたしのこと、どんなふうに思ってそうしているの?
大切にしてくれているのはすごくわかる。
特別扱いしてくれているのも、伝わってくる。
だけどそれは、わたしと同じ気持ちでそうしてくれているわけじゃないのかもしれない。
幼なじみとして、家族みたいな存在として、大事に思ってくれているんだよね。
ぜったいにそう。
そうじゃないとおかしい。
「一緒に寝よう」
だって、ちょっと変わっているところがあるとしても、こうちゃんだって仮にも男子高校生だ。
年ごろの男の子が、ほんの少しでも好きだと思っている女の子に、なんでもなくこんなことは言ったりしないはずだ。
そうだよ。
恋人どうしでもない高校生の男女は、ふつう、いっしょに寝たりしない。
「やだ、寝ない」
だからとっさにそう答えてしまった。
なんとなく、いつもの流れでお風呂を済ませたらこうちゃんの部屋に来てしまったけど。
やっぱり、こんなのダメだ。
ダメだよ、こうちゃん。
わたしたち、いままできっと“ふつう”じゃなかったんだよ。



