「そろそろ年頃だし、ふたりはちゃんとつきあい始めたんだろうな?」
伯父さんがいきなりとんでもないことを言うのでホタテが喉に詰まるかと思った。
さすがのこうちゃんも隣で地味に噎せていて、ふたりでゲホゲホせきこんでしまった。
「照れなくてもいいだろうが!」
もう、完全に出来上がっているな。
いかにも酔っ払いという笑い方をしながら伯父さんがゆらりと立ち上がる。
同時にこうちゃんがそっと、わたしを自分のほうへ引き寄せた。
「結婚式のスピーチは伯父さんに任せてくれよ」
ほんっとうに直おじちゃんと似てない!
からかい100%のせりふを残し、伯父さんはキッチンのほうへ行ってしまった。
自分の奥さんと義理の妹の清枝ちゃんに怒られながらもガハガハ笑っている伯父さんを見て、こうちゃんが長いため息をつく。
「ほんとやだ」
「うん、でも、きっと心配してくれてるんだよ」
伯父さんは弟のことが本当にかわいくて仕方なかったと聞いた。
だから直おじちゃんの生き写しみたいなこうちゃんのこと、かわいくて、心配で、しょうがないんだと思うよ。
「だとしても、ああいうこと平気で言われんのはやだ」
むすっとした顔でこうちゃんがウニ軍艦を食べる。
こんなふうにへそをひん曲げるなんてめずらしいから、よっぽどだ。



