「あと、プレゼント用ってできますか」
「ええっ。目の前にいるんだからそんなのいいよ!」
「ダメ。ちゃんとする」
やり取りの一部始終を聞いていた店員さんがくすっと笑みをこぼす。
「ラッピングいたしますね。もしや記念日ですか?」
「いや、誕生日です」
「そうなんですね! おめでとうございます!」
美人な店員さんに完璧な微笑みをむけられたら、突然恥ずかしくなってしまった。
するすると魔法みたいに施されていくラッピング、受け取るのはわたしなのに、しっかり目撃してしまってなんだか申し訳ない。
「素敵な彼氏さんですね」
本当に数えきれないほど言われてきているから、こういうのには、もう慣れっこ。
「いえ、彼は恋人じゃなくて幼なじみなんです」
「え! そうなんですか? 仲がいいんですね。むしろ逆に、とっても素敵だと思います」
楽しい誕生日にしてくださいね、
と、店員さんはわたしではなく、こうちゃんに紙袋を手渡した。
プレゼントはぜひご本人から受け取ってください、だって。
素敵なのは店員さんのほうだ。



