カーモの皆さんは圧倒的に絶対的に芸能人だというのに、みんな関谷さんと同じにとても気さくで、優しくて、こんな高校生のコムスメにもとても良くしてくれた。
関谷さんが東京に出てきてから出会った仲間だという彼らは、故郷が日本列島のそれぞれ違う場所にあるらしい。
そんな3人は全員口をそろえて、マコに出会えたことが自分たちの財産だと言いきった。
関谷さんは照れくさそうに、そしてどこか飄々とした様子で、なにも答えず口元に笑みを浮かべる。
「関谷さんは単身、東京に出てきたんですか?」
いつのまにかわたしの隣に座っていたその人に何気なく問うと、彼は栗色の髪を無重力に揺らしてかぶりを振った。
「おれはそんなに勇気ある若者じゃなかったよ。きみの大切な少年たちがそうしてきたように、地元で好きな仲間とオモチャみたいなバンドを組むので満足だった」
ミスグリでライブしてたって言っただろ、
と静かに付け足す。
「東京に行こうと最初に言い出したのはね、脇坂真二」
「えっ。脇坂さん……と、いっしょにバンドやってたんですか?」
もしかしてそうなのかな、とはなんとなく思っていたけど。
たしかな情報を得ていたわけじゃないから、こんなにも簡単に言われてしまうと、逆に戸惑う。
「あれ? 聞いてない? おかしいなあ、真二もミチも、意外となんにもしゃべらないんだな」
文字通り意外そうに笑い、関谷さんの手が梅酒のグラスをくるくるとまわした。



