「あ、出てきた」
みちるちゃんがつぶやいたのとほぼ同時に、彼らはステージの上に現れたのだった。
いつもよりうんと高い舞台。
頑丈そうなバリケード。
たくさんのスタッフさん。
そして――
「こんにちはー! はじめまして、“あまいたまごやき”っていいます!」
――耳をつんざくような、いつもとは比べものにならないほどの、爆音。
アキくんが言い終わらないうちにこうちゃんのギターが鳴いた。
漆黒のボディがかっこいいエレ吉くん。
こうちゃんの、いちばんの相棒。
気づけば、両足で踏みしめているはずの地面が不安定に揺れていた。
小さなライブハウスと似ているようで、ぜんぜん性質の違う揺れ。
地球がそのまま振動しているような、恐怖さえ覚えてしまう激震。



