グッバイ・メロディー



「でもやっぱ、うれしいのがデカイかな。こんな人気のフェスのチケ、無料(タダ)で貰えちゃったりもするし?」


おどけたように笑ったその顔を見ながら、どうにも想像せずにいられない。

みちるちゃんが話したがらないバンドマンの元カレとは、やっぱり関谷マコトさんなんじゃないかって。


誰もが知る大人気バンドのフロントマン。

いま、音楽シーンにおいていちばん影響力のあるその人と恋愛をするのは、関係を継続させていくのは、決して簡単なことじゃなかったはずだ。

わたしなんかが口にできてしまえるくらいの、容易い壁なんかじゃなかったはずだ。


はっと、いきなりアキくんの顔が思い浮かんだ。

思わずよけいなお節介みたいなことを考えてしまう。


「あのコたちも、これでドカン!と成功するといいねー」


でも、成功してしまったら、どうなるの?


もしかしたらみちるちゃんは、アキくんのことを拒絶するかもしれない。


かつて関谷さんとダメになってしまったように。

アキくんとも、同じ結末をたどることになるのかもしれない。