「ぜんぜんいーの、運転するの好きだし。特に高速なんてアクセル踏んでるだけだし」
そうは言っても片道4時間、夜中に出発してほとんど休憩を挟むことなくハンドルを握り続けるのは、なかなか大変なことだと思う。
交代もできなくてもどかしかったのに、彼女は後部座席の高校生たちに「寝てていいよ」とまで言ってくれた。
いっしょに乗りあわせてきた衣美梨ちゃんもかなり恐縮した様子で、鞄のなかからチョコレートのお菓子を取り出して、ささやかだけどお礼だとみちるちゃんに手渡した。
「こんな貴重なイベントに誘ってもらっておきながら、こんなことまでさせてしまうなんて……!」
「いやいや、誘ってくれたのはトシくんでしょ」
「なっ……誘ってくださったのはみちるさんだったじゃないですか! なんでそういうデタラメ言うんですか!」
「だっておもしろいもーん。早くどうにかなるといいね」
疲れなんか微塵も見せないお姉さんのあとをついていくと、フェスの始まりを待つ行列に出くわした。
ちょっと本当に洒落にならないくらいの長い列。
テーマパークでもこんなに並んだことってないよ!



