いままさに兄弟喧嘩の板ばさみにあっているのはこうちゃんで、きっと望んでそうなっているわけでもないと思うし。
基本の性格が面倒くさがりやさんにとっては、そういうのはもうそろそろウンザリなのかもしれないね。
それでもこうちゃんは、ヒロくんに帰れと言わない。
アキくんやご家族と話をさせるようなこともしない。
だからといって、わかったようなことをえらぶって語るわけでもない。
こういうのを実際に目の当たりにすると、ヒロくんがこうちゃんを“選んで”やって来た理由がわかってしまう気がする。
こうちゃんの傍は本当に心地いいの。
そのことはわたしが、いちばんよく知っているんだった。
「ねえ、でもきょうってみんなで会うんでしょ? あれからはじめてだよね。大丈夫なのかな……」
「たぶんぜんぜん大丈夫じゃない。トシにも全部話してある」
きょうの放課後にみんなで集まるのは、こんなことになる前々からすでに決まっていた予定だ。
こうちゃんがますます顔色を悪くして、ため息をついた。



