ひっくり返りそうになった。
もしかしたらわたしじゃなくて、世界のほうがひっくり返ってしまったのかと思った。
それくらいの衝撃。
電流どころじゃない、雷にうたれたくらいの激しい閃光。
だってわたしはこうちゃんたちと違って音楽をしているバンドマンでもないし、みちるちゃんと違って関谷さんと面識のある古い友人でもないの。
本当にただの一般人、
ミーハー心まるだしの素人。
「えええ……!!」
だから思わず最初に声を上げてしまった。
関谷さんがわたしのほうにゆっくりと目をむけ、目を細めた。
「瀬名少年の“内助の功”、きみのことは真二からもよく聞いてるよ」
ぜんぜん、そんなの、めっそうもないけれど。
わたしなんかはただ運よくこうちゃんのお隣に生まれただけの幼なじみにすぎない。
それでもいちばんのファンだって勝手に思っているから、勝手に4人のことが大好きで応援しているから、関谷さんにそんなふうに言ってもらえることは本当にうれしかった。
ミーハーだから、本当はもう倒れそうだけど。
「んじゃ、考えておいてね。お疲れさーん」
本当に軽い挨拶。
自分が何者なのか自覚してなさそうにひらひら振られている手を、たぶんわたしや衣美梨ちゃんを含め、こちら側の全員がぼうっと見つめていたと思う。
記念すべきはじめてのソロライブが終わって、いろいろなものをぱーっと解放しながら盛り上がりたいところ。
だけどこれはまた緊急会議になりそうだって、もう眠気なんかどこかへ飛んでいってしまったこうちゃんの横顔を見たら、どきどきせずにはいられなかった。



