「俺が呼んだんじゃなくておまえが勝手に来ただけだろうが」
「ありゃ? そうだっけか」
脇坂さんがあきれたように笑い、関谷さんがその肩に手を乗せて首をかしげる。
そんなふたりのやり取りにみちるちゃんが笑っている。
指輪だらけの細い指が関谷さんの腕をバシバシ叩くので、びっくりした。
だって、あの関谷マコトさんのこと、みちるちゃんは親しい感じに「マコちゃん」と呼ぶの。
みんなの憧れのお姉さんがあまり語ろうとしない、昔つきあっていたというバンドマンはもしかして……と、勝手すぎる妄想を膨らませてしまった。
同時に、ぜったい踏みこめなくなってしまった。
だってもし正解だったら大事件だし、
間違っていたとしても大問題だ。
「いやあ、全編見させてもらったよ、ライブ。真二があんまり肩入れするもんだから、いったいどんな少年たちなのかといてもたってもいられず、新幹線に飛び乗ってこんなところまで来てしまいました。それにしてもミスグリなつかしーなー! ホコリくせー!」
うるせえよ、と脇坂さんがその頭を小突く。
どんどん放りこまれる情報、
量が多すぎてぜんぜんついていけない!



