グッバイ・メロディー



「どこまでやれるのかわかんないけど……まだもう少し、ここにいてみたい気もしてます」


ぼとぼと、涙が流れ落ちていくのを頬に感じる。

もう自分じゃどうしようもできない涙だって思った。


こうちゃんがもういっさいしゃべらないという顔をしてアキくんを見た。

アキくんが笑いながらうなずいた。

トシくんがくすくすと笑みをこぼした。

ヒロくんが子どもみたいにぎゅうぎゅうとまばたきをくり返している。



「じゃ、最後に、オレら4人で作った“完成前夜”、聴いてください」



ライブハウスはとてもうるさくて、狭くて、苦しくて、

そして、宇宙でいちばんやさしい空間なんだよ。



ひとりじゃなにもできないと言ったこうちゃんは、ひとりじゃなくなるために音楽を始めたのかもしれない。


ライブハウスに足を運ぶ人はみんな、ひとりじゃなくなるためにここへ来ているのかもしれない。


ひとりとひとりが出会って、やさしい空間をいっしょに創るんだってこと、あまいたまごやきのみんなが教えてくれた。