「なあ、オレさ、中2んときたまたま同じクラスになっただけのやつとこんなことしてるなんて夢にも思ってなかったけど、洸介はどう?」
べつに、とこうちゃんのくちびるが動いた。
なにも聞こえなかったけど、絶対にそう言った。
アキくんがふっと笑う。
「こう見えてオレら3人、洸介に呼ばれて集まってきたんですよ。なんでこんなシャイな男がバンド組もうと思ったんすかね?」
なんでー、
とオーディエンスの誰かが言った。
こうちゃんがむっとしたように、じとっとアキくんをにらむ。
それでも頑として口を開かないこうちゃんが、ぐいとギターを持ち直したのに、3人はそうしないでずっとこうちゃんを見ていた。
ステージにいる3人だけじゃない、この場にいるみんながこうちゃんを見つめ、こうちゃんの言葉を待っていた。
本当に戸惑っている。
もうめちゃめちゃに困ってしまっているのが伝わってくる。
だけどわたしも聞いてみたいと思っていたの。
いつも明確な返事をもらえない質問の、ちゃんとした答え。
こうちゃんはどうして3人を集めて、いっしょにバンドをしようと思ったんだろう?



