やがて、埒の明かない言いあいに疲弊したアキくんが、ふっとこうちゃんから視線を外した。
悲しい、痛い、苦しい、つらい目だった。
「ああ……そうかよ。なんかどうでもよくなってきたわ。洸介にとってオレらの存在なんざそれだけの価値しかないってことだろ。結局おまえは誰にも、なににも、興味ねえんだよな。よくわかった、もういいわ」
ぜんぜん、わかってないよ。
こうちゃんにとってみんながどれだけ大切な存在か、どんなにかえがたいものか、アキくんはぜんぜんわかっていない。
そう言いたいのに言えなくて、だってわたしの口からそんなことを言ったってなんの意味もなくて、だからこうちゃんにそう言ってほしいのに、彼は黙って立ち上がるとわたしの手を小さく引っぱったのだった。
「帰ろう、季沙」
いつのまにかまた、ぐしゃぐしゃに泣いてしまっていた。
こうちゃんは例のごとくそっと涙を拭ってくれたけど、いましてほしいのはそんなことじゃなくて、もっと別のことだよ。



