散らかり放題な部屋の片付けもそこそこに、まだほとんど人気のない静寂の街を、5人ならんでだらだらと歩く。
目的地はないけどそれがよかった。
そうして闇雲に歩いた先にあった、だだっ広い森林公園が到着地点に変わり、そこでアコギのデビューを飾ってあげることが決定した。
いつだってこんなふうに、たどり着いた場所が、いつのまにか目的地に変わっているのかもしれない。
そうしてまた、新たな目的地が勝手に生まれているのかもしれない。
そう、みんなの未来だってきっと、同じように。
「やっぱり生音が半端ない」
何度も試奏をくり返したそれを最初に弾いたときとまったく同じ感想を、こうちゃんがぽろりとこぼす。
本当にうれしそうな顔を見ていると、わたしまでうれしくなる。
こうちゃんの新しいギターは、昇りたての太陽の下で、たくさんのはじめての音を奏でてくれた。
こんなに素晴らしい朝を祝福するように。
こうちゃんにめぐり会えた自分の運命を喜んでいるように。
とても美しい音色だった。
一生ひとりじめしていたいけど、世界中の人に聴いてほしいような、反対の気持ちが、胸の真ん中でせめぎあっている。



