グッバイ・メロディー



甘いのとしょっぱいのを交互に食べ散らかし、ジュースとコーヒーを飲み散らかしているうちに、お腹がふくれたらしい半田兄弟はいつのまにかふたりして眠ってしまった。

こうちゃんお気に入りのもちもちクッションを抱きしめて眠るアキくんと、ちゃっかりベッドの上を占領して眠るヒロくんは、本当にまったく同じ寝顔をしている。


写真におさめてふたりに見せてあげたいくらい。

たぶんメチャクチャ怒る(特に弟のほうが)だろうから、しないけど。


「まだまだこーんなにかわいいのに、ヒロくんももう高校生になるんだもんね。早いねえ」


出会ったときはまだほとんど小学生のようないでたちをしていて、当時から美少年だったし、本当に天使みたいだったな。

ヒロくんが中学校に入学してきた日をついこないだのことのように思い出せるのに、もうあれから2年も経つんだ。不思議。


「トシだってもう卒業だろ」


結局ほぼひとりで5号サイズのホールケーキを食してしまったこうちゃんが、今度は甘ったるいホットミルクを飲みながらそう言った。


「わ! ほんとだ。ウチの学年にも、トシくんが卒業しちゃったらさみしく思う人いっぱいいるよね」


おもに、女の子がね。

王子様のブレザーのネクタイは誰のものになるんだろうと、一瞬にしてあらぬ妄想がふくらんでしまった。


「そう簡単に言うなよ。卒業のことはあんまり考えないようにしてるんだから」


ホットコーヒーをブラックで飲んでいるトシくんが、まさに大人という感じの顔で答える。

どこか困ったふうな笑い方があるというのを、わたしはトシくんと出会ってからはじめて知ったんだ。