「それにしても、こうやって久しぶりにゆっくり話す時間ができてうれしいな」
これまでは、こうちゃんのあとをついて脇坂さんのスタジオに行けば、当たり前にみんなと会えていたけど。
いろんなことが目まぐるしく変わっていくなかで、4人は会社が所持しているというスタジオを使うことが多くなったし、わたしの想像などとうに及ばない用事で新幹線に乗って出かけることもうんと増えた。
そんな毎日にどきどきもわくわくもしているのはもちろん事実だけど、本音を言うと、ちっともさみしくないわけじゃなかったんだ。
「でも洸介は、どーせ季沙とふたりのほうがよかったとか思ってんだろ?」
「うん」
あまりの即答に、茶化して訊ねたはずのアキくんが苦笑して、トシくんが飲みかけのソーダで小さく噎せた。
ヒロくんはネコみたいな目をいつもの2倍くらい見開いてこうちゃんをじっと見ている。
わたしはというと、ただただひたすらに恥ずかしいよ。
せっかくみんなが来てくれているというのに、冗談だとしてもなんてことを言うんだろ。
「だから俺以外はケーキ食わないで」
「いやおまえケーキひとりじめしたいだけか!」
つんとしたままケーキを自分の前に移動させたこうちゃんの手を、アキくんがすかさず阻止する。



