3秒くらいでいろんなことをいっきに考えて、ひとりで勝手に焦っていたら、エミリちゃんはにっこりと笑った。
「でも、一方的に好きで追いかけてるので、引っかけてもらえるならそれってすごく幸せなんじゃないかなあって思っちゃいます」
もうすっかり見慣れたキラキラスマイルが反射的に頭に浮かぶ。
とてもじゃないけどこれ以上は触れられないと思ったのに、聞き上手のみちるちゃんはいとも簡単に相手の心に踏みこんでしまえるんだから、困るよ。
「ちょっと待ってよ、もしかして“ガチ恋”してるワケ? 絶対しんどいよ?」
7年分多くの経験を重ねてきたお姉さんが、どこかあきれたように笑った。
まるでバンドマンと恋をしたことがあるみたいな言い方をするんだな。
でも、みちるちゃんならそんなのはふつうにありえそうだ。
いつか聞いてみたいけど、果たしてお子ちゃまのわたしにもついていける内容かな?
「実は……恥ずかしながら、恋とかはまだよくわからなくて」
幼稚舎のころからエンジョに通っているというエミリちゃんは、女の子だけの環境で育ってきたせいでまだ男の子に恋をする感覚を知らないのだと、まるで漫画の世界みたいなことを言った。
ほへえ、と気の抜けた声が出ちゃう。
本物のハコイリムスメって、レベルが違う。



