制服も素敵だったけど、お嬢様というのは私服も抜群に洗練されているんだな。
毛先を巻いてうしろでゆるくまとめた色素の薄い髪も、淡いピンクのノーカラーコートも、触れたら気持ちよさそうなファーのショートブーツも、全部が清純で、ため息が出るほどよく似合っている。
「エミリちゃん、こんにちは。わたしも会えてうれしいですっ」
「わあ、名前覚えててくださって光栄ですっ」
真っ白な手にぎゅっと両手を包みこまれた。
上品なさらさらの手ざわりも、こないだとまったく同じだ。
「なーに、美少女! 何者? 季沙の学校のコ?」
みちるちゃんが興味津々に聞き、「季沙の友人の須藤みちるです」と自然に自己紹介した。
あんまり自然すぎて、7つ年上の憧れのお姉さんに“友人”と言ってもらえたことに、ワンテンポ遅れてからじーんとしちゃった。
「あ、わたしは学校は園田で」
「園田ってエンジョ? エンジョのコがこんなところに来ちゃダメでしょ!」
パパとママには内緒にしといたほうがいいんじゃない、
と、初対面にもかかわらず、いつもの調子でからかう。
「バンドマンにだけは引っかからないようにね」
そしていかにも年上っぽく、いじわるに笑った顔を見て、はっとした。
エミリちゃんってそういえばアキくんと遊んでいた時期もあるんだっけ?
みちるちゃんと引きあわせちゃっても大丈夫だったかな?
というか、みちるちゃんとアキくんって、いったいどうなっているんだろう?



