グッバイ・メロディー



ライブハウス・ミスターグリッターに到着すると、前回同様、あまいたまごやきのみんながゲート横で物販をしていた。


きょうもなかなか賑わっている。

そしてアキくんは相変わらずプロの売り子をしている。


こうちゃん以外の3人は顔を見るのさえ1か月ぶりくらいで、なんだか変な感じがした。

半田兄弟とは通学ルートもかぶっていないし、トシくんは先輩だけど、学年が違うせいでほぼ顔を合わせないの。

こんなにも時間が空くと、これまでコンスタントに会っていたということのほうが嘘みたいな、不思議な感覚になるんだね。


チョコレートは忘れずに持ってきたけど、いま行ったら邪魔になるかもしれない。

帰りにシュッと渡せばいいかな。
どうするのがベストだろう。


「あれ、もしかして季沙さんですか?」


ひとりで悶々としていると、突然かわいらしい声に名前を呼ばれた。

この小鳥のさえずりのようなか細い音には聞き覚えがあった。


「やっぱり! 会えて嬉しいです。いきなり声かけてごめんなさいっ」


ファミレスで会ったときとまったく同じ、花のような可憐な微笑み。

“エミリちゃん”だ!