「栄子ももっと早く言ってくれればいいのに……一晩帰りを待ってたんだって」

 お母さんの口調に遠慮がないのは、栄子さんがお母さんの従姉妹だからだ。

「とにかく、警察に連絡するようにって言ったけど、あなたも友達とかに聞いてみてくれる? お母さんは、今から栄子のところに行くから」

「うん、わかった」

 着替えたお母さんが慌ててばたばたと出ていく。それを見送りながら、私はスマホを手に取った。

 クラスの友達、予備校で知り合った子……相手によって文面を変えて、メール送信終了。

 そうだ、と思いついて立ち上がる。

 比奈子はアルバイトもしている。栄子さんがそちらに連絡してないというのは考えられないけれど、一応話だけしておこう。

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