数日後、お父さんが入院した。 今日は、お父さんのお見舞い。 「失礼しました。奥さん、ちょっと」 先生は病室を出る時にお母さんが呼ばれて先生についていった。 「お父さん、大丈夫?」 パイプ椅子に座りながら聞く。 「あぁ。……里桜」 「ん?」 お父さんは、私と目を合わせない。 「母さんを頼む」 「無理。そんなこと、許さない」 死ぬ覚悟なんて、いらない。 頼まれても、引き受けるつもりない。