涙を堪えているのだろうか。
返事がない。
「…あたしで良ければっ…」
やっと口を開いた口から出た声は小さく震えていた。
百合の顔を両手で包み込み顔を上げると案の定泣いていた。
「泣くなよ…」
「だってだって…」
ボロボロと泣いている百合。
なあ、百合。
百合は初めて俺を守りたいって思ったんだろ?
俺もさ…
初めてなんだよ。
こんなに愛しくて、
守りたいって思ったの。
俺らしくねえ事ばっかしてさ…。
「玲真、泣いてるの?」
「泣いてねえよ…ばか」
俺は百合を思いっきり抱きしめた。
5年という長い時間を埋めるかのように。
END


