傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】




「そもそも、紅菊の居場所を取るなんざ無理だな」




鳩の言葉に眉をひそめた。



「紅菊の居場所を無くすことはアイツに逃げ道をつくらないのと一緒だ。」




鳩は俺のことを無視して言い続ける。



「やりたい事はやらせておけ。いくら生涯を共にするにだって逃げ場は必要だろう。それとも、お前が逃げ道を作るなんて馬鹿げたこと出来ると思ってるのか?」




グッと拳に力が入った。




「お前を想いすぎて始めた居場所を強制して取るのは違うんじゃねえの?あいつの気持ちも考えろよ」






カランカランと鳴って入ってきたのは俺の愛しき人。



「玲真っ!」



俺の名を呼び走って俺の胸に飛び込んできた百合。




久しぶりに抱き締める。






「ゴメンね?仕事長引いちゃって…」





「別にいい」




ニコッと笑う百合にやっぱり居場所を奪うのは違うのではないか、と後悔の念が押し寄せてきた。




「なあ百合…」






「ん?」




首を傾げる百合。






「紅菊、楽しいか?」