傷を負った私を助けたのはヤクザでした。【完】





ううん、と首を振る七音。



「親父さん…怒らせて。」




組長を怒らせると手が付けられないと七音が言っていた。





「ううん、慣れてる。」





そうか、と言うと七音は組長を追って部屋を出た。




俺ははだけたスーツを直し、部屋を出て玄関へ向かった。





「ごめんなさいね、せっかく来ていただいたのに」



後ろを向くと七音に似た母親が立っていた。





「いえ、こちらこそ大事な娘さんを傷つけてすみませんでした。」




そう言って深々とお辞儀をした。





すると、ふふっと笑った声が聞こえた。




「顔を上げてくださいよ。七音は、始めから貴方の中には自分がいないことを知りながら結婚式したのだから自業自得よ。
それと、あの人のことは気にしないで?アタシ達の立場を失う事も知らず口走っちゃうのだから、こちらこそ謝らなければならないわ。」




結局泣きつくのはアタシ達なんだから…と付け足して。





「お幸せにね。これからも、宜しくお願いします」



そう言ってお辞儀をした七音の母親。




「七音には、感謝してます。」






「ありがとう、伝えとくわ」





俺はもう一度お辞儀をし、鈴木組を後にした。