「そうか…」
掴んでいた腕も弱まり離した。
俺ってこんなに弱かったっけ?
「結婚式はずっと伸ばしてた。俺のワガママっつうか…。」
七音の親も流石に待てないと言って仕方なく行った結婚式だった。
伸ばしてたのは、百合を見つけるため。
「百合は、俺と会わないほうが…良かった?」
こんな再会、誰が想像していただろうか。
「そんな…そんなわけない…。」
「…そ。紅菊、すげえな。世界に名をあげるなんて。強くなったな…。」
捨て台詞かのように、自嘲笑いしながら俺は言い続けた。
「俺は、ただ…百合のそばにいたかった。ただそれだけなのに…いい歳してバカみてえ。これは七音も百合も誰も幸せに出来ないわけだ。」
地面に両膝をつき、俯いて涙を必死で堪えていた。
その時、フワッと何かに包み込まれた。
すぐ百合だと思った。
「…違う。」


