お互い睨み合い1歩も譲らない。
「お客様、喧嘩はよそでお願いします。」
マスターらしき人がグラスを拭きながら俺達に忠告した。
軽く舌打ちをして、諦めてBARを出ようと足を進めた。
その時、カランカランといって客人とすれ違った。
百合のように小柄で女のようだったが、フードを深くかぶっており顔は見えない。
背も同じくらいだったか?
俺はそのまま店を出た。
そいつが後ろで振り返って俺を見ていたなんて全く知らない。
「…玲真」
懐かしいような、悲しい顔で見ていたなんて…。
百合…俺はいったい、どこに行けばお前に会える…?


