月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



例えば気持ちに名前がついたのが涼音より後でも、きっと先に惚れていたのは自分だ。
 



どうしたってこの子には適わないのだから。
 



あの月の下、揺蕩(たゆた)っていた夜。



……君に出逢ったのが俺でよかった。



もう誰にも譲れない位置。




「……涼音、俺でよかった?」
 



訊いてみたくなって口にすれば、恋人は何を言っているんだときょとんとしたあと、穏やかな笑顔を見せてくれた。




麗音の大すきな表情(かお)。